戦争と平和、 そしてソ連の 名機 「ミグ21」 を開発した人物。      

「甘くて切ない話」から一転して、今回は「戦争」と「平和」がテーマです。 

私は平和主義者ですが、血の気が多くて闘争的な面を持っています。「落ちてくる火の粉は、振り払わなければならない」、これが私の主義です。                 技術屋を50年もやってきましたから、大昔から戦闘機には強い興味を抱いて来ました。戦闘機に対して、日本刀と同様に「美しさ」さえ感じます。       戦闘機は戦争の道具だし、戦争とは人間どうしが殺し合う行為だから、「戦闘機は最も洗練された、人殺しの道具」であり、「最も憎むべき存在」のはずです。         それなのに多くの人々が航空ショーに行って、戦争の道具を大喜びで眺めます。          それは、どうしてでしょうね?    

アゼルバイジャンの西、「アルメニア」の北部で、ジョージア(旧グルジア)との国境に近い位置に小さな街、「ハフバット」があります。         ソ連時代は「鉄のカーテン」で隠されていた所で、昔は自由主義の世界にとって「未知の場所」だったかもしれません。

ここは小さな平和な町です。そこに「ミコヤン ミュージアム」があります。  ソ連の政治家だった「アナスタス・ミコヤン」は有名な政治家で、「ミコヤン」の名前は結構知られていますが、ここのミュージアムは「アルチョム・ミコヤン」に関わる記念館です。この二人は兄弟で、この「ハフバット」で生まれました。アルメニア人にとって、「ミコヤン兄弟」は今でも誇り高い存在なのです。   「ミグ」はソ連を代表する戦闘機として有名ですが、「アルチョム・ミコヤン」の「ミ」と、「ミハイル・グレービッチ」の「グ」を、繋げて出来た名前らしいです。その中でも特に「ミグ21」が最も多く生産され1万機も作られました。

この戦闘機は共産圏の多くの国でライセンス生産された「名機」らしいですが、ベトナム戦争では、米軍のファントム戦闘機(F4)と空中戦をしました。  この戦闘は、「世界で最初」の「超音速戦闘機」どうしの戦いだったそうです。  ベトナム戦争で「ミグ21」は「F4ファントム」を、「37機」撃墜しました。けれど、ミグ21はファントムに「66機」撃墜されたので、完全にミグの負けでした。しかしミグ21は「マッハ2」で飛び、開発された当時は世界最高水準でした。主翼が「三角翼」で尾翼が「後退翼」の変わった形をしています。

この「ブリキの塊」が「マッハ2」で飛んだのだから驚きです。ファントムによって多数撃墜されたのは、ミグに搭載されていた「空対空ミサイル」の命中精度が悪くて、米機の「サイドワインダーミサイル」の射程内に入って、「30ミリ機関砲」で戦ったそうです。いくら優秀な戦闘機でも、ミサイルに対しては歯が立たなかったようです。だから「ミコヤン」は今でも、この土地の英雄です。

「戦争の話」はこれ位にして、「平和の話」に移ります。

この町には世界遺産の「ハフバット修道院」があります。他にも同じく世界遺産の「サナヒン修道院」などもあって、昔からとても信仰深い人々が住んでいたようです。

私は、「国家」としての、または「体制」としての、「ソ連」も「ロシア」も嫌いです。でも、その土地に住む人々には好感を抱きます。            人々はどこに行っても同じで、皆んなが「真剣」に、そして「助け合って」生きています。中には悪い人もいるでしょうが、殆どの人は素朴で親切です。

オヤ! ここにも「素朴な感じの人物」がいました。

この人達、「幸せ」みたいですね。